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2010年4月 9日 (金)

ミャンマーの糸のこ一族9

その晩、俺は夜中の一時くらいに目が覚めた。十一時くらいには寝たと思うので2時間くらいは寝ただろうか。
 目が覚めてトイレで用を足そうと思った。特に用を足したいわけではなかったのだが、ここで一発出しておきたいと思った。落ち着かなかったのだ。俺は養老たけしの「真っ赤な嘘」という本を持ち込んで、便器に座り便との闘いに望んだ。便との闘いと言うよりは、自分との闘い。いかに腸をコントロールして便を体内から地上に降り立たせるか、それがテーマなのである。
便との闘いは長時間におよぶこともあるので、トイレに本を持ち込むことで退屈から開放される。
 自宅では俺がトイレに本を持ち込む行為を家族はうっとおしがっている。俺がなかなかトイレから出て来ないため、次の順番が回ってこないからだ。
 だが、この、たった一人のホテルの部屋では、家族に邪魔されることもなく俺は便との対話を長時間かけて行うことができる。
 精神統一し、ヨガの呼吸法のように便器の上にあぐらをかき、重力の力を借りながらイメージを膨らませるのだ。小腸から直腸へ、そして肛門へ。
 しかし、なかなか簡単にはいかない。俺は30分から1時間ほど、便との闘いを試みたが、このままでは寝不足になると思い便所から出て来た。
 大丈夫だ。明日は必ずすっきり出すぜ!
 まだ、集合まで時間がある。もう少し、寝よう。

 ヤンゴン行きの飛行機の乗客は日本からシンガポールへ行くときと違い、日本人の姿は少なかった。
 シンガポールの飛行機とは違い小振りな飛行機だったが、こちらの方が乗り心地が良い気がした。
「サングラスや帽子は持ってきました?」と矢野閣下が言うので、
「矢野閣下の言われたモノは全部持って来ました。」と答えると、
 矢野閣下は自分のサングラスはネコ眼鏡という会社のものだと説明してくれた。
「ネコ眼鏡?変わった会社名ですね。確かパソコンは」
「パソコンはマウスコンピューターです」
「ネコ眼鏡にマウスコンピューターですか、おもしろいですね」
  我々は他愛もの無い会話をしたり、本を読んだりしながら、飛行機での退屈な時間を過ごした。
 シンガポールからヤンゴン空港まで二時間くらいのフライトのようだが、渡されたスケジュール表には現地時間しか書かれていないから、時差を考えると実際のフライト時間が何時間なのか、わけがわからなくなった。日本とミャンマーはだいたい2時間半くらいの時差があるとのことだった。

 ヤンゴン空港に近付いて来た。そろそろ憧れの地ミャンマーだ。ミャンマーはどんなところだろう。本当に暑いのだろうか。
 どれほど暑いのだろうか。あまりに暑いのは勘弁して欲しい。腹具合に影響する場合もある。
 入国カードという存在を初めて知った。英語で書かれているので意味がわからない。地球の歩き方に書かれていたものを真似して、それでもわからないところは閣下のものを真似して書いた。こんな場面で、英語が出来ないということを悲しく感じた。
 そんなことをしているうちに、飛行機はヤンゴン空港に近付いて来た。
 空港の周りの景色は荒野とでも言おうか。シンガポールとは打って変わってビルなどは見当たらなかった。
 そして飛行機は滑走路に着陸した。
 我々は入国審査を終え、空港から外に出た。
 空港にはミャンマー在中のM社の方々が迎えに来ていた。我々はすぐにバスに乗り込みホテルに向った。
 確かにミャンマーは暑かったが、思ったより湿度が高くなかった。そしてすぐにエアコンのきいたバスに乗り込んだため、ミャンマーの暑さがどれほどのものか体感する暇もなかった。
 やはりエアコンはすばらしい。
 とりあえずバスは快適だ。
 M社の方が挨拶を終え、ミャンマー人のガイドにマイクが渡された。
「ようこそ、ミャンマーへ」
 若く美人のガイドは上手な日本語で話はじめ、そしてバスはホテルへと進んだ。
 ガイドの話を聞きながら、外の景色を見た。
 町並み、看板、歩く人々、犬、店、そして自動車。どれをとってもレトロではないか。おもしれええ。
 戦後まもない日本とでも言おうか、レトロマニアの人が、昔のタバコの看板やバス停のサイン、あるいはクラシックカーや郵便局のポストを収集しているが、ここではその必要は無いようだ。そのようなものは実際にまだ現実として使われているのだ。あえてレトロ趣味に走ることもあるまい。
 自動車は日本の中古車が多く走っていて、トラックなどは日本語で○○工務店とか○○工業とかと書かれたものもある。ミャンマーではそのように日本語で書かれた自動車が高く売れると聞く。
 ガイドさんがミャンマーについていくつか説明してくれていた。その中で特に俺の気を引いたのはチーク材のこと。ミャンマーでチーク材は政府が管理しているとのこと。チーク材を勝手に伐ったり、あるいは輸出したりすることは出来ない。罰せられるのだ。
 おお〜これは、現在のナルカリの本拠地である長野県木曽のひのきの歴史と同じではないか。
「ひのき一本首一本」と言われるくらい木曽ではヒノキ材が大切にされ、むやみに伐るようなことがあれば罰せられたということを職業訓練校で習ったことがある。なんと、ミャンマーでは「チーク一本首一本」ではないか、木曽とミャンマーがこんなところでも接点があったとは知らなかった。
 実は木曽とミャンマーには漆つながりもある。
 木曽谷には平沢という漆器が盛んな集落がある。実はミャンマーでも漆は盛んなのだ。その平沢がミャンマーとなんらかの漆のつながりを持っていたはずだ。間違えていたら申し訳ないが、確か技術研修のようなもので交流があったと思う。

 M社のマネージャーが言った。
「皆さん、犬には噛まれないように。狂犬病に気をつけてください」
 狂犬病?
 ミャンマーでは犬の予防接種はやっていないのか。というか、あの街を歩く犬はきっと野犬なのだ。何故か、やたらに犬がいる。
 バスから見た犬達は、どれも身体が細くて足が長くて毛が少ない。凶暴そうにも見える。気をつけなければ。
 高校生くらいの頃、散髪屋さんの店の前を歩いていたら、そこで飼っているプードルが突然俺に吠えて向って来た。すると店の女主人が慌てて出て来て、血相を変えて俺に言った。
「あんた、うちのワンちゃんに何かしたでしょ?うちのワンちゃんは人に吠えたりしないのよ、何かした?」
「してませんよ、ただ、歩いていたら吠えてきたんです。」
 俺は本当に何もしていなかった。
 さらに、小松という友達の家に遊びに行ったときのことだ。門から彼の玄関まで歩いていく途中、彼の家で飼っている犬が俺のケツを軽くみついた。
 小松は言った。
「おかしいなあ、こんなこと初めてや」
 そしたらなんだ、おまえは、俺が犬に吠えられたり噛まれたりするオーラを出しているとでも言うのか。いずれにしても犬を叱るよりも、俺に疑いをかける方が先じゃないか。
 少し話が横道にそれてしまったが、絶対にミャンマーの犬にだけは噛まれたくないと思った。
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